4/25の稽古場
熟成期間
reporter 田中 幸彦

今日は、朝から快晴の日曜日! まだ五月にはなってないけど五月晴れみたいな天気です。こんな日は屋外で思いっきり過ごしたいけど、日曜は当然のことながら午後から稽古です。ちなみに私の入ってる草野球チーム、今日は12:30集合で試合です。体が2ツあれば両方行くのですが…無理だよねぇ。

さて稽古の方は、それぞれの役のおおまかな流れは出来あがっていて、あとはどれだけ細部に工夫を凝らしていくかという段階に来ています。「熟成期間」とでも申しましょうか。ここからが難しくもあり、又非常に面白くもあるんですね。

難しいのは悪い意味での「慣れ」が出てきます。次にどんなセリフが帰ってくるかがわかってしまった演技になったり、漫画チックに走ってしまう役者もいたり、リアクションが小さくなってしまったり、オーバーになったりと。

面白いのはその役を深めていくこと。いろんな表現方法があってその中から最後は一つ選択します。それが今までの「役者の引き出し」(物品販売で言えば在庫)の中の一つだったり、自分でひねり出したり、稽古の中で突然出来たり、演出家や他の役者のアドバイスから引っ張り出したり。(物品販売で言えば新商品を開発したり、他の店から仕入れたりです)で、新しい表現方法を引き出しにストックしていくのですね。これが非常に面白いのです。そしてこの時期、演出のダメ出しが役の深〜いところを掘り出して行きます。たとえば…さゆりの恋人としての立場と手術をした研究所の一員であることの板ばさみになる将樹の苦しさ・・・
ダメだしを隣で聞いてて、こんなことが日常生活であったら、キッつ〜と思いました。夜も寝られないのではないでしょうか?(しかし事実は小説より奇なりと言います。将樹を演じる山崎の実生活は…直接本人に聞いてみましょう⇒)

ヘビーなシーンが後半続くので何度も繰り返し稽古するとかなり疲れます。が、この疲れが何て言いますか役者やってて幸せだよなぁと思う瞬間なのであります。ヘビーだったりハッピーだったりのバーチャルな体験が出来ちゃうのが役者なのですから。

夜には通し稽古、「何回も観て次のセリフもわかってるんだけど泣いてしまうのよ。」と制作の笠原さん。本番では終演後の場内整理があるから泣けないはず。今のうちに思い切り泣いておきましょう。次回通し稽古は今日以上に、そして本番はぜったいに良い舞台になりますよ。たくさんの人に見ていただきたいです。今すぐチケットのご予約を!