4/15の稽古場
さて!
reporter 丸尾 拓

試演会が終わり、あと一ヶ月です。

今回はじめて試演会で最後まで通しました(バラすなって(笑))。

もちろんのこと、出来にはまだまだ不満足なのですが、これからの稽古が楽しく(役者にとってどうかは知らない)なりそうな予感がします。

今回は「物語」なので、セリフが内包する感情、その役がその感情をどう表現するタイプか、というような細かいことがとても大事になってきます。ところで「演技にはその人の人生が出る」というような意味のことを聞いた方も多いと思います。考えずとも当たり前のことで、「あなたを好きです」といった単純なセリフも、役者の数だけ伝え方があるのです。田中の「あなたを好きです」、山崎の「あなたを好きです」、俺の「あなたを好きです」、早乙女(現在、人生建て直し中)の「あなたを好きです」。同じ男でも伝え方、伝わり方が全然違うことはわかりますよね。

その上で役が要求する、そしてもっとも効果ある「あなたを好きです」を、役者は追求していくのです。「自分勝手に愛を告白するな」とか「もっと迷いながら言葉にしろ」とか「好きだと確信を持って告白するな」とか理不尽な、また日々変わる演出家の要求に翻弄されながら。

大変です、役者というのは(俺には他人事ですが)。

でも役者が無数の「あなたを好きです」から選び取る「あなたを好きです」は、きっとあなたを感動させる切ないセリフになっているに違いありません。そのために俺はあと一ヶ月役者を揺さぶり続けるのですから。それが俺の仕事。

まだまだチケットはあるそうです(…まずい)。
ぜひ切なさ、感じにきてください。待っています。