11/9の稽古場
〜have stiff shoulders〜
reporter 今若 孝浩

ご無沙汰しております。今回休演させていただいておりますが、久々に稽古場に顔を出してみました。

支配人と職人。支配人の視線の先には何が…。
自分が出てない稽古場に行くのはなんとも心苦しいのですが、それは僕が「芝居を見ると自分が出たくなる病」という役者の中では感染率の高い、重い病気を長年患っているからなんです。でもまあ、本番三週間前だし、発病することもないだろうとタカをくくって、稽古場前にたどり着くと・・・疼く、疼く。疼くんです!! 役者さんの声が聞こえるたび、体の芯から発熱して、しかも音響などが加わろうものなら、天の果てまで大発疹!! 特にこんな楽しげな稽古場なんて、僕の病気には天敵もいいところ。潜伏期間が長かった分、発症したら早い、早い。

そんな中、追い打ちをかけるようにこの病にはとてもキツーイ悪玉菌が現れました。黒田さんのセリフで「アメリカ人は肩が凝らないから『肩こり』にあたる英語がないっていうこと聞いたことありません? でも『奇跡』はあるんです。日本語でも英語でも・・・」というのがあります。

支配人の娘、未来。ミクと読みます。
もう僕には緊急オペが必要なくらいなセリフです。
アメリカ人は肩が凝らないから「肩こり」がない。そんなわけないんです。アメリカ人だって肩は凝ります。「have stiff shoulders」で「肩が凝っている」という表現があります。「肩こり」という名詞にするとちょっと長くなるだけなんです。 でもそんなことこの際どうだっていいじゃないですか。この人にとってその「奇跡」というものがどれだけ大きかったか。「奇跡」を目の当たりにした彼の喜び。それが伝わってきます。ジンマシンものですね。こんなセリフ吐ける黒田さんがうらやましいったらありゃしない。

イベンターと司会者のにらみ合い。
なんでシリアスしてんだ? これコメディだよね???
そういえば、「奇跡」と「miracle」も同じ意味の言葉ですが、同じものなのに違う意味合いの言葉もあります。「のど仏」は英語で「Adam’s apple」そうアダムの食べたリンゴがのどにひっかかっているところからきています。同じものでも違う表現の仕方。 もしかしたら、彼の見た「奇跡」は、英語で表現できるものではないのかもしれません。本人はまだ気づいてないのかも。彼しか見たことのない「奇跡」、本番ではそれが見れることを願って。

嗚呼、それにしても疼く、、、。