6/1の稽古場
〜震災を振り返って〜
reporter 坂本 顕

日誌を書くのも今回が2回目。本番まで3週間なのでもう回ってこないかもしれません。さびしいze。

人魚の像のポーズ
さて今回の舞台は震災がテーマとなっているので、それについて少し書いてみたいと思います。あの時は地震の恐ろしさに加えて、人間のイヤなところもたくさん見たように思いました。倒壊した家から何かを盗むために日本中の泥棒が神戸に集結したとか・・・。(もちろん心温まる話もたくさんありましたけどね)

車イスの動きをチェック
避難所の体育館にもとんでもない連中が現れました。ニュースで食料・水不足を知った彼らは、買い込んだおにぎりやミネラルウォーターを5千円などという値段で被災者に売りつけていたのです。足元を見られた格好の被災者は泣く泣くそれを購入していました。言語道断な話ですが、「困っている人に物を高く売ってはいけない」という法律はないので、法には触れない行為なのです。


ひとやすみひとやすみ
「レ・ミゼラブル(ああ無情)」の主人公、ジャンバルジャンは、餓死寸前であった姪の命を救うため、パンを一つ盗んでしまいます。そのため19年間も刑務所に入れられてしまうのですが、後に改心した彼は素晴らしい人生を送ります。


被災地でぼったくり商売をする男と、パンを盗んだジャンバルジャン・・・法を犯し、裁きを受けるのはジャンバルジャンの方です。しかしジャンバルジャンの目的は人助けにあり、商売男のそれは金儲けにあります。私はジャンバルジャンには深く共感しますが、困っている人に水を高く売りつけるような人間には絶対なるまい、と心に誓ったのでした。