5/20の稽古場
〜雷鳴豪雨!嵐の大ダメ出し!〜
reporter 佐々木 鉄平

経過報告!!


雷雨が西宮を襲う。

だが、叩きつけるような雨や轟く雷鳴のBGMも、公演一ヶ月前という張り詰めた空気で満たされた稽古場には届かない。

緊張感が稽古場を包む。
丸尾氏は机の上にあぐらをかき、肘を立て、組んだ手の甲の上にアゴをのせた格好で、役者の演技をじっと見る。
―ヘタなことはできない
演出の真剣な眼差しが、その場の雰囲気がオレの心の糸を限界まで引き伸ばす。
頭のてっぺんから爪の先まで神経が行き渡る。オレの背中に冷たい汗が走るのを感じる。


果たして、G:フォレの未来は…
 白刃の下―
 まさに真剣。
 そんな表現がよく似合う空気。
 頼れるのは自分だけ。
 甘えは許されない。
 ふと、唇の端がゆがむ。

逃げ出したくなるようなこのギリギリの雰囲気を楽しんでいる自分に気付く。



芝居はお金と時間と労働力がかかる、ましてや儲けなど期待できないし、それでいて感動を伝えられる人数は決して多いとはいえない。

時には裏切りも…
―ならばなぜ芝居を続けるのか

その答えが今はわかる。
ような気がする。
この緊張感が好きなのだ。
観客と役者、見るものと見られるもの、どちらが欠けても、それが作り出す雰囲気は生み出せない。

―それがライブ感―


オレは今、ライブ感をむき出しの脊髄でビンビン感じている。
そしてその感動を観客と共有するのが役者だと信じている。
そして今、観客であり演出家である丸尾氏に、想いを届ける。


役者・佐々木鉄平として…





「丸尾さん、オシッコいっていいっすか?」